母のフリして、・・・続編☆
2006年 06月 01日
昨日の続き・・・と、その前に、今日のほしみの報告を少し♪
ガム3日目―。
さあ、今日も試行錯誤が始まりました。
「う~~ん、どうしたらうまく食べれるのかなぁ?」
「あっ、もしかして、コレ、・・・手で押さえたら、食べやすい!?」
「よぉ~~し、短くなってきたよ☆ ひとやすみ、ひとやすみ・・・って、あげないからね!」
「あれっ、もうなくなっちゃったよ~~~。ちょうだい~~♪」
所要時間は20分少々☆
うぅ~~ん、さすがは食い気たっぷりのパグちん☆
だんだん、完食スピードが上がってきています~~。
・・・ああ、ガムの要求に負けないようにしなくちゃ(;´д⊂)
さてさて、昨日の続きです☆
いよいよ、撮影開始~~☆
班別に呼ばれ、商品を受け取り、きれいに並びます。
「かわいいって言って」
「か、かわいい~~」
「いや、もっと”かわいい”って思いながら言うてや。もう1回な」
「かわいい~~」
「うぅ~~ん、商品をもっと上に上げて」
ひとりひとり、ポーズをチェックしたり、声色を指定したり。
それを親御さんが、とても真剣なまなざしで見つめています。
時々、撮影の合間に、小さく声をかけていたりして。
「○○ちゃん、頑張って!」
しかし、今回の子供たちはほぼ全員、5、6歳児で―。
「('Д')」
と、固まっている子がいたり。
「('∇')」
と、場慣れしている子がいたり。
「( TДT)」
と、泣き叫ぶ子がいたり。
ほんと、さまざまでした。
その中で、今回、リーダーとなる12歳の女の子はというと、とっても大人びて見えて、びっくりしました。
だって、目が合うと、
「(*^-^*)」
って、笑いかけてくるんですもの。
それが、”本当に笑っている顔”ではなくて、バリバリ、”タレントとしての笑顔”なんですよー。
『うっひゃーーー、すげーーー!!!』
ドキドキしながら、撮影を見つづけていると。。。
来ました、Aちゃんの出番です☆
すると、責任者の方が彼に呼びかけてきました。
「Aちゃん、行ってみようか~?」
ざわっ・・・
とたんに、場の空気が微妙に変わりました。
・・・というのも、スタッフさんたちは、みんな、子供たちを呼ぶときは、
「その青いシャツの子」
とか、
「赤いシャツの子」
とか、そんな感じで。
ひとりも、名前で呼ばれていなかったのです。
・・・そんな場所で、名前で呼ばれたAちゃん。
当然、親御さんたちの微妙な目線が集中します。
・・・それは明らかな・・・ライバル光線でした((((゜Д゜;))))
しかも、ほかのスタッフさんたちが、
「うわ~~、かわいいな~~、この子!」
「美形なんやわ。女の子に混ざっても、違和感ないもん!」
「かわいいわ~~~、ほんと!!」
と、誉めそやすものだから、もう、
『何よ、あの子』
って感じ。
怖いです!!!!!
怖すぎます、この状況!!!!!
これが自分の子だったら、ちょっとは嬉しかったのかもしれませんが・・・あいにく、私の子ではありませんから・・・。
『まあ、パパはスカウトされたこともあるし、ママも美人やしな~。そうなるでしょうな~、自然と』
と、変に冷静な私がいました。
・・・と、静かだったスタジオに鳴き声がこだましました。
さっき泣きじゃくっていた女の子が、再び、泣き出したのです。
慌てて、お母さんらしき方が背を撫でます。
「△△ちゃん。どうしたん? 撮影、楽しいでしょ?」
「えぇぇ~~~~ん、楽しくないぃ!!! 帰りたいぃぃぃぃ!!!!!」
すると、その隣にいたお父さんが肩を叩きます。
「△△、頑張りや。帰りに何か買ってあげるし」
「いややぁぁぁ~~~~!!! 帰る~~~、私、帰る~~~~!!!!!」
そんなやりとりに、責任者の人が目で合図をして。。。
「はい」
うなづいたスタッフが、彼女のもとへやってきます。
「じゃあ、ちょっと休もか?」
涙で顔をグシャグシャにしている彼女の横で、お母さんが戸惑います。
「・・・で、でも・・・」
けれど、スタッフの方は女の子の顔を覗き込んで、言いました。
「終わるまで時間あるし、また、やる気になったら、出ようか?」
そして、そんな彼女たちは、私たちの後ろの席で。。。
『・・・い、居にくいーーー('Д')』
と、私が凍り付いていると。。。
「ね、ね、どうやった~~?」
Aちゃん、戻ってきました。
「うん、良かったよ~」
びびりながらも答えると、彼はニッコリして、
「なあなあ、ノド、乾いた~~~」
との催促。
「はいはい~」
彼のリュックからお茶を取り出すと、
「いや~。こぱぐちゃん、お水持ってたやろ~? それ、頂戴~~」
「はいはい~」
そして、水を飲んだAちゃん。
次の出番までの時間、ちょっとヒマになったのか、足をブラブラさせ始めました。
がくん、がくんと揺れる椅子。
私は慌てて、Aちゃんの肩をたたきます。
で、声をひそめて、
「あかんよ、椅子、動かしたら!」
「え~~~」
「ダメ!」
「イヤ~~~」
・・・('Д')
けれど、そう言いつつも、椅子ガタガタをゆるめてくれた彼。
でも、足を振りはじめて。。。
足元にあったスイッチを押し、照明を一部、消してしまいました((((゜Д゜;))))
「Aちゃぁぁ~~~~~ん!!!」
絶叫直前の私に、Aちゃん、苦笑いして、
「え、消えちゃった? ボクのせい?」
「うん、キミのせいだよ(;´д⊂)」
そして、スタッフにペコペコ頭を下げる私。
・・・ああ、子役の付き添い(マネージャーと言うらしい)も大変です(TдT)
そんなこんなで、撮影終了☆
「お疲れ様でした~」
挨拶して、さあ、これでホッと一息・・・と思いきや!
「あのな、こぱぐちゃん! ボク、今日、ママから2000円もらってきてん! だからな、それで買い物するねーーん(*^-^*)」
「うわっ、ちょっと、走らないで!!!」
外に出るなり、全力疾走!!
途中、通りかかった公園で、
「わ、ジャングルジム♪ こぱぐちゃん、遊んでもええ?」
「・・・え~~、Aちゃん、もう帰ろうよ~~~(;´д⊂)」
「じゃあ、3回だけ! 3回乗ったら、帰るから~~~」
「わかった。じゃあ、3回だけね?」
「ありがとう~~~!」
と、駆け出していきました。
「あぁ~~~、子供ってなんてパワフル・・・」
ふうっと一息ついて、ベンチへ腰を下ろします。
すると・・・。
子供って、なんて順応の早い!
Aちゃん、瞬く間に友達を作って、はしゃぎ始めました。
『こ、こりゃあ、3回だけってわけにはいかなくなんない!?』
焦った私は、最終手段。
Aちゃんのママにメールを送りました。
「助けて~~~!!!」
・・・で、その直後。
「あ、ママから電話だ~~」
と、首にかけた携帯を手にとった彼。
しばらく話すうちに、・・・うなだれ、
「うん、わかった。・・・こぱぐちゃん、ボク、帰る」
なんとか、彼を公園から連れ出すことに成功しました。
「さあ、帰ろうな~~」
公園に向かって手を振り、
「ボク、京都に住んでるねん! また、遊ぼうな~~♪」
と、背を向ける彼。
よほど心残りだったのか、何度も何度も振り返りながら、手を振っていました。
・・・で、その姿を、少しかわいそうに思った私は、彼に提案☆
「なあ、Aちゃん。帰りに、マック、寄ってこか?」
すると、彼は目を輝かせ、
「マック!? うん、行く、行く!!」
今度は私の手を引き、どんどん歩き始めました。
「マック、今日は臭いにおいが出てないといいな~~」
とか、言いながら。←「私はマックは苦手で、通りかかったときに、臭いと言ったのかも」by知人
「マック、マック、マック♪」
大喜びで店内に入った彼は、レジ前に来るなり、店員さんに、
「なあなあ、2000円でコレとコレ、買える~~?」
ハッピーセットを2つ、指差しました。
「・・というか、2人分じゃん。そんなに食べれるの?」
思わず、尋ねてみると、
「うん、大丈夫」
「じゃあ、ジュースはどうする?」
「え~~っと、りんごとオレンジ☆」←「普段はミルクしか飲まないのに!」by知人
そして、私がレジ前で待つ間、・・・なぜか、そばで食べていた2組のママさん&お子ちゃまに話し掛けて、仲良くなっていました。
やがて、商品が出てきて。。。
「おぉ~~い、Aちゃん。お会計だって~。お金、払いぃ」
「うん、わかった~~」
再び舞い戻った彼は、ポーチの中から1000円札出して、それをニコニコと払い・・・そして、レシートを見て、店員さんに言いました。
「・・・これ、違う」
「え?」
私と店員さんがびっくりしていると、彼は言いました。
「これじゃないの。白い領収書を下さい。○○○宛てで」
ちなみに○○○は、彼のお父さんの経営する会社。
ああ、子供って、親のことを本当によく見てるんですね~~。
・・・と、感心している場合ではなくて。
「領収書、ご入用ですか・・・?」
私に聞いてきた店員さんに、
「すみません~、お願いします」
と、800円の領収書を書いてもらって。
「パパの会社のときは、○○○~♪ ママの会社のときは、△△△って書いてもらうの~~♪」
そう歌いながら回っていた彼をつかまえて、店を後にし、駅に到着☆
残りのお小遣いをそのまま持ち帰るのがもったいなくなったのか、彼は自動販売機の前で立ち止まり。
「なあなあ、こぱぐちゃん。お茶買ってええ?」
「うん、お小遣いの中でな~」
「うん♪ ええ~~~っと、120円やろ~? 何円入れればええんやろ?」
小さな手のひらに、小銭を広げて、しばし、考える彼。
・・・見かねた私が、
「120円やから、200円入れたら? おつり、80円来るし」
「そうなん!? こぱぐちゃん、すごいなーーー!!!」
「す、すごいって・・・」
感心しながら、100円玉を2つ入れて・・・。
おつりコーナーに4枚の硬貨が落ちてきました。
「あれ? 4枚? こぱぐちゃん、40円しか返ってこなかったんちゃう?」
「違うよー。Aちゃん、見てみぃ? 1個、50円玉があるやろ? 3個10円玉。だから、80円」
「ふぅ~~ん。ま、いいや~」
そして、電車に乗り込み。。。
「ねえねえ、こぱぐちゃーーん!! マック、食べたぁぁい!!」
「まだまだ! ここはすぐ乗り換えるんだから、特急の中で食べるの!!」
「はぁぁ~~い・・・」
で、京都行きの特急を待つホームにて―。
「うわ~~、こぱぐちゃん! 線路、すっごいデカイで~~!!」
身を乗り出して、下を覗き込む彼に、私は列に並びながら、
「ちょっと、危ないし、戻ってきぃや~~」
と、少し、並びから外れ気味に。
すると、それを見つけた彼が、言いました。
「あかんよ、こぱぐちゃん! 後ろのおじいちゃんに抜かされるやろ!?」
・・・こぱぐ、凍りつきました。
『な、な、な、なんてこと言うのよーーーーーー!!!!!』
案の定、おじいさん、ちょっとムッとしています。
都会のど真ん中で、このセリフはキツイ!
ああ、なんでこういうときに限って、電車は来ないのでしょう!?
「('Д')」
固まり続ける私。
そしたら、彼は戻ってきて、おじいさんの前にしっかり滑り込んで、私の手を引き・・・そして、ニッコリ微笑みました。
「わ~、おじいさん、すごいな~。そのサングラス、スキー用?」
・・・で、おじいさんがどう反応したかというと。
「ん? カッコええか?」
まんざらでもない様子!
『・・・つーか、Aちゃん、キミ、本当に6歳児!?』
唖然としていると、電車が入ってきて。。。
「早く、早く、こぱぐちゃん。マック食べるで~~♪」
そそくさと席をおさえた彼。
「はいはい、気をつけてね~~」
と言って、マックの包みを開けて、渡すと、もう満面の笑みで、
「おいしぃなあ、おいしぃなあ。マックはやっぱり、おいしぃなあ(*^-^*)」
と大喜び☆
さっきの応対がウソみたいです。。。
・・・そんな私の表情をどう受け取ったのか、彼は紙袋を広げて言いました。
「あ、こぱぐちゃんも食べてええで♪ こぱぐちゃんのぶんも買ったしな♪」
「ありがとう。じゃあ、これ・・・」
「あ、それはあかん!」
「じゃあ、こっちを・・・」
「あ、それもあかん~~!」
ってなわけで、言った割には、ハンバーガーひとかけらしかくれませんでしたが・・・ま、いっか♪
「ああ、マックはいいなあ~~。また行きたいな~~♪」
オマケでもらったゲームカードをひらひらさせながら、つぶやく彼に、私は尋ねました。
「ね、ね。Aちゃんは大きくなったら、何になりたい?」
すると、彼は全く迷わずに、こう言いました。
「パパと同じ(*^-^*)」←ちなみにそのお父様は、お金持ちです
「はぁーーー、さすが、カエルの子はカエルやね~~♪」
こうして、マック大好きでおしゃまな彼との1日が終わったのでした。
・・・ああ、母って偉大ですね・・・本当に・・・・。