母との電話。
2007年 05月 15日
そう言ったのは、こぱぐママ。
私が京都に戻ってから、父が夜勤でいない夜、
『寂しいから、電話してもいい?』
と、ちょこちょこかけてきてくれるようになったのです。
「そっかー・・・。でも、遠慮せずに電話してきてね?」
「うん、ありがとう。最近ね、お父さんとも話してるんだけど・・・タロウ、やっぱり、まだどこかにいるような気がするわ」
「そうだね。まだ、四十九日もすんでいないし・・・。きっと、そばでお母さんたちのことを見ているんだよ」
「お母さんもそう思う。だからね、タロウが心配するから、あんまりクヨクヨしていられないって思うのよ」
ひとつひとつの言葉をつむぐようにして、丁寧に話すこぱぐママ。
そこには、心を実直に言葉に変換しているという感じがしました。
「あ、そうだ・・・」
ふと、母は思い出したように言いました。
「今日、Aさん(近所のパグ友さん)に会ったから、タロウのことを話しておいたよ。そしたら、うちの外から見える、庭のコンテナ(通称・タロウの脱出封じ)が片付けられていたから、”もしかして、タロウちゃん、亡くなったのかなー”って思ったって言ってたよ」
「ふぅ~ん・・・。なるほど~・・・」
実はこのAさん、もともとパグ好きで、でも、飼おうかどうしようか迷っているときに散歩中のタロウと出会って、
『やっぱり、飼おう!』
と、決意。
今では2パグの母子と暮らしている方なのです。
「Aさんのお友達もね、夢眠の郷(葬儀社)でいろいろやってもらったんだって。Aさんちは、火葬だけやってもらって、連れて帰ってこようかなって言っていたけれど・・・」
「なるほどね~・・・」
「うちの家はどうなるかわからないからね・・・。こぱぐさんは無理だし、こぱぐ弟も帰ってきてくれるかどうかわからないから・・・ひょっとしたら、この家を売ってしまうかもしれないし。そういうとき、タロウのお墓だけ、いつまでもここにあるのは良くないでしょう」
「うん・・・」
「やっぱり、タロウは最終的に(葬儀社の)合同墓地に預けた方がいいんだろうねえ・・・。そこならずっと、供養してもらえるし・・・仲間もいるし・・・」
遠い先のように見えて、・・・でも、確実に来る”いつか”の話に、心がチクリ。
ここ1年の間で、祖父母が亡くなり、タロウも逝ってしまったので、こういう話がなんだか骨身にしみるというか・・・・・とっても寂しい気持ちです。。。
「一緒のお墓に入れればいいのにね・・・」
「お母さんだって、そうしたいけど・・・」
・・・なんとなく、しめっぽい空気が流れたので、話題を変えました。
「ところでさ。タロウの写真、微妙に同じ姿勢のものもあったりしたんだけど、いったい何枚くらいあったと思う?」
「え、何枚? 100枚くらい?」
「ブブー♪」
「えー、それより上? 下?」
「上♪」
「へえー!! そんなにあったんだーーー!! 本当、良かった~~!! やっぱり、こぱぐさんの言っていたとおりだって思っていたのよ。『写真を撮っておかないと、絶対、後悔する』って」
「動画はだいたい、全部で50分くらいあったよ」
「そんなに!! わぁ~~、楽しみだわ!!」
「たくさんあるから、現像してもらうのも大変だよ~~ヽ(;´д`)ノ」
「あら。じゃあ、こぱぐさんの負担にならないように、・・・そうね、お盆に一緒に持って帰ってきて頂戴」
「わかったー」
「楽しみだわ♪」
ちょっと嬉しそうな声に、私まで嬉しくなったりして。
少しずつではあるけれど、頑張っている母の様子に、
『お母さん、すごいな~。私も、膨大な枚数にびびってる場合じゃないな。いろいろ、頑張らなくっちゃ!!』
と、逆に励まされてしまった・・・そんな夜なのでした。