目は大事。
2006年 07月 31日
いや、タロウと暮らし始めた頃に、噂に聞いたことはありました。
でも、実際に自分の前で起きると、もう、動揺して体中がガタガタ震えちゃって・・・。
それでやっとの思いで、引っ張り出した”ほしみ関連書類入れ”に手を入れて、
「え~~っと・・・」
病院の領収書を探すけれど、手が使い物にならなくて。
結局、中身をバーンと床に落として、一番最初に目に入った"ワクチン証明書”を手に、携帯をつかみました。
1コール・・・
2コール・・・
3コール・・・
「お願いっ、先生、出てくださいっ!!」
そうつぶやいた後の7コール目。
「はい、もしもし~」
おなじみの先生の声に、私はたぶん、ものすごい早口で話しました。
「すみません!! 黒パグのほしみでお世話になっているこぱぐです!! 今、ほしみがコケて、目が・・・・目が・・・ちょっと飛び出してしまったんです!!!」
そう。
これまで、ちっとも気にしていなかった目のこと―。
”パグ犬は目が大きいから、ひょんなショックで目が飛び出してしまうかもしれない”
それがお昼過ぎ、ほしみの身にふりかかってしまったのです。
数十分前から、異常にハイテンションで、喜びいっぱいに飛び回っていたほしみ。
その姿に、私は、以前、本で読んだ”アジリティ”を試してみようと思い、座って、かる~く足を立ててみました。
「Ψ(`∇´)Ψ」
大喜びで飛び回るほしみ。
数回繰り返して、そして、そのはずみでケージに帰ろうと思ったのか、ほしみはそのままジャンプ・・・しようとして。
「●×▲*!!!」
今まで聞いたことがないような悲鳴をあげ、ケージの入り口でつまづき、頭から床に落ちる形でコケてしまったのでした。
「ほっ、ほしみ!?」
慌てて、顔をこっちに向けさせ・・・私はぎょっとしました。
「目・・・目・・・目が・・・!!!」
まるで一昔前の漫画のように。
”目玉ぴょーん”という感じで、飛び出していたのです!!
「ほっ、ほし・・・。ごめん、ごめん!! ママが悪かった!!」
泣きそうになりながらも、必死で動物病院の連絡先を見つけ出す私のそばで、ほしみはというと。
「(⊃д⊂)」
何度か、ぱちぱちっとまばたきをして、もう黒目よりも白目の方がはるかに大きく見えるほどに飛び出していた目を、もとに戻してしまいました。
・・・で、電話をした私。
「せ、先生、どうしたらいいですか!?」
動揺する私。もちろん、
「すぐに来てください」
と言われ、化粧も何もせずに簡単に着れるラフなワンピースを、すぽんっと来て。
「オ出カケ、オ出カケ(;´д⊂)?」
ちょっとしょんぼりげに見上げるほしみに、リードをくっつけました。
「行くよ!! ・・・あっ、その前に、アニコムの保険証!!」
慌てて探すも・・・見つからず。
結局、ダンナ氏に電話をしてしまいました(;´д⊂) ←仕事中なのに。。。
「ちょっと保険証、知らない!?」
「なっ、なにっ、どうしたの!?」
「ほしみの目が、ちょっと飛び出したの!!」
「ええっ!!!」
そんなやりとりのあと、保険証を見つけた私は喜ぶ彼女を連れて飛び出しました。
そして・・・病院―。
午前の診療をとっくに終えていたにもかかわらず、先生はすぐに診てくれて。。。
「ん~~~と~~~・・・どうかな~~~? ん? 瞳孔がちょっと良くないな?」
「えっ!?」
「いや、明るい外から、いきなり室内に来たからね~」
瞳に光を当てていた先生に、別の先生が話し掛けます。
「手術室に連れて行ったら? あそこなら暗いし」
「うん、そうだね。じゃあ、ほしちゃん、ママとちょっと離れような~?」
先生に抱き上げられたほしみは、散歩に行けると思いきや、血相を変えた私に病院へ連れてこられたので、何がなんだかわかりません。
「きゃん!」
一声鳴いて、それからすぐに帰ってきました。
「瞳孔は異常はないみたいです。ちゃんと左右対称だし。でも、すぐに来てもらって正解だったと思います。目が出たらね、目がむくんでしまうから、目頭のあたりから切開して、入れなおしてまぶたを閉じさせないといけないから。それによって、眼帯の役割をさせるんです」
「そうなんですか・・・。ああ、良かった・・・本当に良かった・・・」
ぎゅーっと抱きしめたほしみは、私を見上げて、無邪気にペロペロしてきました。
その姿に、さらに胸が痛くなり。。。
「ごめんね、ほしみ。ちゃんと見てないといけなかったね・・・。ごめんね、ごめんね・・・」
何度も謝りながら、家へと帰ってきました。
そして、いつものように足を洗おうと、洗面台まで来ると。。。
一度も歩かせてもらえなかったほしみが、ぶすっとした顔で鏡に映っていました。
でも、その姿は、本当になんともない・・・いつものほしみで。。。
「さあ、キレイキレイにしようね~」
そうつぶやいて、ひととおり洗ったあと―。
「(´・ω・`)」
お散歩できなかった不満か、それとも家に帰ってきた安心感からか・・・。
プー
ほしみは、初めて大きな音付きのオナラをしたのでした。
「くさっ!! ・・・でも、本当に良かったわ・・・。本当に・・・(TдT)」
こうして、ヒヤヒヤした時間は、なんとか終わりを告げ・・・そして、仕事を終えて帰宅したダンナ氏は、こう語ったのでした。
「保険証の電話をもらってから、病院帰りにまた、知らせてもらうまで、いろいろ考えてしまったよ。”こんなことになるなら、もっとボール遊びしてあげればよかった”とか、”これからは私の後ろについて歩くとき、ちょっと辛そうになっちゃうのかな”とか。。。」
ほしみ―。
彼女の存在が、いかに我が家で大きくなっているか。。。
そして、わんこを飼うということの難しさというか・・・責任の大きさを痛感したのでした。
「ごめんね、ほしみ・・・。今度からは、もっと気をつけるからね・・・」
「(?_?)」