人気ブログランキング | 話題のタグを見る

京都市在住の黒パグ・ほしみ(H18年2月3日生れ)と台湾人のダンナ氏と宮崎生まれのこぱぐ、それから実家・宮崎にいる元・捨てパグ犬(フォーン) ももの話など☆


by kopug
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

迷子物語~下~

さて、すっかりへこんでしまった2匹のパグちゃん☆

2パグそろって、仲良しになってくれると信じていた父は、困惑しました。

「なんで、仲良くしてくれないんだろうねえ~~?」

そうこうしている間に、タロウは縁側を離れて、庭の裏に行ってしまい、縁側の”よそパグ”との距離をどんどんとっていき・・・そして。

「ふがふが・・・(--メ)」

たまに戻ってきて、目が合うと・・。

「(;´д⊂)」

また、裏の方へと行ってしまいます。

こりゃ~、もうダメだ。。。
タロウくん、すっかり”負け犬”です。

「お父さん、どうするの?」

経緯を聞いた母が、ケージのそばまでやってきて、縁側にたたずむ父に尋ねます。

「だって・・・今更、返すのもかわいそうだろう・・・? 保健所に連れて行かれるかもしれないんだし・・・」

保健所―。

目の前のよそパグは、父に身を摺り寄せ、甘えています。
その必死そうなことといったら・・・。

迷いパグになって、どれぐらい経つかはわかりませんが・・・。
これまで、きっと、せつない日々を送ってきたのでしょう。

父に寄ろうとするタロウを見ては、

「ぎゃうぎゃうヽ(`д´)ノ」

威嚇して、タロウを追っ払っています。

・・・というか、逃げるなってば、タロウ(-_-;)

保健所に連れて行って・・・もし、飼い主が来てくれなかったら―。

そう考えた父は、とりあえず、うちで預かってから、あちこち当たってみようと思ったのでした。

しかし、タロウ命の我が母。
迷いわんこの境遇に理解は示しても、このタロウの状態―。
困惑を隠せないようでした。。。

「でも、タロウと仲良くできないんなら・・・どうしたらいいんだろうねえ~~(;´д⊂)」

父、母、私―。
すり寄りと威嚇を繰り返す彼らを前に、話し合った結果―。

タロウは、今までどおり居間のケージ&庭で過ごし、よそパグちゃんは玄関にスペースを設けて、そこから前庭に出たりして、ちょこちょこ遊んでもらうことにしました。

「ふ~~~ε=(~Д~;)」

ようやくケージを取り戻して、ほっとするタロウ。

けれど、ぬいぐるみを可愛がっただけで、

「ぎゃうぎゃうぎゃう(T-T)ノシノシ」

さんざん訴えるタロウです。
時折、よそパグの声を聞きつけては、

「わんわんわんわんヽ(`д´)ノ」

威嚇したりしてました。
負けてたくせに・・・。

これぞ、負け犬の遠吠え(´Д`;)

それからというもの―。

私がよそパグちゃんと散歩に出た直後に、母がタロウと散歩に出たり。。。
私たち家族が、居間につながるリビングで食事中に、隔離されたよそパグちゃんが鳴いて訴えたり。。

ちょこちょこと思い出が増えていくたび、私たち家族は、

『なんとかして、よそパグちゃんとタロウを仲良くさせることはできないか?』

と、考えるようになりました。

タロウには、あまり犬友がいません。
そんな彼が、仲良くなれるパグちゃんと一緒に暮らせるとしたら、どんなに楽しいでしょう。


・・・と、数日経ったある日。

勤務先から、父が電話をかけてきました。

「なに~~?」

仕事中は、滅多に電話してこない父。
不思議に思って、母が尋ねると。。。

「こぱぐ、よそパグちゃんの飼い主さんらしき人が現れたって!!」

「え!?」

その時、タロウは昼寝中。
学校が休みだった私は、玄関でよそパグちゃんと戯れておりました。
・・・というのも、このパグちゃん、迷子になったせいか、もともとの飼育環境がそうだったのか、とても甘えん坊で、一人にされるのを特に嫌っていたのです。

「・・・あ、そうなんですか・・・。・・ええ・・・確かにスリムですね・・・」、

「はい・・・。確かに娘が、ちょっと後ろ足を軽くひきずったって言ってました・・・」

少しずつ、符合していく特徴―。
よそパグちゃんをひざに乗せたまま、私がじれったく聞いていると。。。


「あ、それが名前なんですね? ためしに呼んでみます」

そして。
受話器をふさぎ、母は玄関に向かって声をかけました。

迷子になってから、久しく、呼ばれていなかったその名前を―!

「パグさん!!!」

すると。。。

「((((゜д゜;))))!?」

驚くほどにビクンと反応して、私のひざから降りて―。
パグちゃんは、あちこちを探し始めました。

それを見て、母は確信。

「反応してます。今から連れて行きましょうか?」

それからすぐ―。

母と私は車に乗り、待ち合わせの場所へと急ぎました。

助手席に座る私の膝の上では、よそパグちゃんが、

「・・・(T-T)???」

横になることもせず、とても不安そうに、座っています。

そして、待ち合わせの場所で。。。
少し遅れて、飼い主さんご夫妻到着。

事前に車種を伝えてあった私たちの車を見つけて、駆け寄ってきました。

母は、私側のウィンドウを開けて、

「たぶん、間違いないと思います。さ、こぱぐ、出て」

そして、私が出た瞬間、でした。

「(=´∇`=)ノシノシノシ」

よそパグちゃんが、私の胸の中で暴れ始めました。

「やっぱり!」
と、ご主人に渡してみると。。。

「(´Д`;)、(=´∇`=)ノシノシノシ、ヽ(;´д`)ノ」

めまぐるしく表情を変えながら、しっかとご主人にくっつき、離れません。
背中を撫でてみると、びっくりするくらい、ブルブル震えていました。

「この仔、パグさんかなあ~~??」

劇的な再会に戸惑うご主人の背に立つ奥さんは、少し涙ぐみながらこう言い切られました。

「間違いないわよ! うちのパグさんよ! パグさんよ!! あぁ~~、よく戻ってきたね~!」

そして、ご主人は背中を、奥さんは頭を撫でながら―。
経緯を話してくださいました。

1週間と少し前―。
開け放してあったドアから出た、パグさん。
おうちは住宅地だったので、車の出入りもなかなか激しく。。。

気付けば、パグさんはいなくなっていました。

当時、高校生だった娘さんは、帰ってきて、大事なパグさんがいなくなっているのを知って、大ショック!
3日ほど学校を休んで、ポスターを作ったり、近所を歩いたり。。。

思いつく限りのことをされたようです。

でも室内飼いだからと、首輪も鑑札もしていなかったためか、手がかりはゼロ。

そのうち、諦めることにしたようです。

『きっと、いい人に飼われているよ・・・』


そこへ、見知らぬ人~うちの父~からの電話☆
もう、藁にもすがる思いで、教えてもらった我が家に電話をかけてきたとのことでした。

「あ~~、もぉ、パグさん。日南市にまで行ってたのね!」

パグさんの、そのしだいに落ち着きを取り戻した頭をなでながら、奥さんは言いました。

「・・でも、このリードとハーネスは、知らないですね。パグさんは何も着けずに家を出たはずだから・・・」

そして、父から聞いた話も総合して・・、おぼろげながら、パグさんの行動がわかりました。

うちに帰れなくなったパグさんは、まだ若いこともあって、どうやら、ほかの誰かに飼われていたようです。
そして、新しいハーネスとリードをつけてもらって、どこかにつながれていたようなのです。

それにすっごく抵抗したか、もしくは散歩のときに逃亡したか―。

そこまではわかりませんが、逃げたパグさんは、深夜の宮崎市をとぼとぼと歩いていました。
住宅街であるそこは、もうすっかり、電気もまばらで。。。

それを、たまたま見かけた人がかわいそうに思って、父の職場に連れてきたと。。。

だいたい、そんな感じでしょうか。

連れてきた人が、父に語った話によると(その人は、家の事情で保護できないと言っていたらしいです)

「本当に寂しそうに歩いているから、放っておくことはできなかった」

とのこと―。

かわいそうなパグさん。
大冒険したんだね。。。

でもでも、そんな彼も、奥さんに抱きかかえられて、とても嬉しそうに車に乗り込み、もと来た道を帰っていきました。

よかったね、パグさん。。。

もう、9年も前の話だけれど、今でも思い出すと嬉しくなる―そんな話でした☆
by kopug | 2005-07-06 23:46 | 老パグ・タロウの日々(´ε`)